センパイの嘘つき
事の顛末を咲に伝えた結果、案の定咲は盛り上がった。
放課後咲に引っ張られ服屋やアクセサリー、コスメショップを回って家に着く頃にはヘトヘトになっていた。
ベッドに倒れこんで携帯を開くと、既に咲からメッセージが。
『当日までみっちりメイク教えるから!毎日特訓だよ!』
まるで自分のことかのようにはりきる彼女に、私は思わず苦笑する。
了解、とだけ送って私は目を閉じる。
意識が朦朧としてくる。
前まではこんな風に眠くなることはなかったのに、今は安心して眠くなれる。
先輩のおかげだ。
でも、私が救われることで先輩は傷を負う。
先輩の重しにはなりたくない。
私は、何をすればいいの?何をしたら、いいの?
私はそこまで考えて、深い眠りに落ちた。