センパイの嘘つき
「着いたー!」
子供みたいにはしゃぐ先輩をみて、私はホッとする。
「柚月ちゃん、カチューシャつけたい!おそろで!」
嫌です、と即答しそうになるのを堪えて、私は渋々頷く。
これくらいのことは、我慢しないとね。
よくわからないキャラクターのカチューシャをつけて、写真を撮る。
「うわあ、なんか、いい!」
気持ちのいいくらい喜ぶ先輩が、なんだか可愛い。
私も自然と笑みがこぼれる。
「柚月ちゃん、なんか乗りたいのある?」
「先輩が乗りたいのでいいですよ」
私の言葉に先輩はうーん、と目で空を見る。
「やっぱりこれかなー」
そう言って先輩がパンフレットを指差す。