センパイの嘘つき

「えっと…だから、もう他の女の人のところには行かないでください」


「…分かった。大事にする、柚月ちゃんのこと」


先輩が、真剣なことが伝わる。


伝われば伝わるほど、ズキズキと胸が痛む。


こんなやり方、間違ってる。


綺麗事かもしれない。余計なお世話かもしれない。


でも、それでも思ってしまったんだ。


あなたを守りたいって。


優しすぎるあなたが、もう傷つかないでほしいと、そう思ったんだ。