これはきっと恋じゃない。
南都から見たらそうじゃなかったんだな。
今ならそれがわかる。
でも、あの頃は...
『なんで俺じゃダメなんだよ』って
いつだって自分勝手にそう思ってた。
あの日、南都が俺の知らない誰かと帰ってるのを見るまでは。
でもそれを見て、はっきりと気づいたんだ。
…俺じゃダメなんだって
たとえ俺がどんな風に変わったとしても、意味がないって。
その日から俺は自分の気持ちに蓋をして『なんともない』って自分にうそを言い聞かせてきた。