はちみつ・lover 2~夏はまだまだ終わらない!?~
葵、さっさと俺のものになればいいのに。


俺の中で黒い感情がフツフツと沸き上がっ

てくる。ずっと好きだった女が、他の男と

結婚して幸せだという事実を受け入れる事

が出来なかった。


「・・・俺は、あくまでもただのいとこな

んだな」

「そりゃそうよ。飛鳥だけしかいらない

の、私は。飛鳥がいればそれでいい」


この笑顔を独り占めしてるあいつってほん

とに憎たらしい。


「葵・・・一つだけ、お願いしたいんだけ

ど」

「ん?」


葵は、タコ焼きを頬張りながら何も知らな

い顔で首を傾げる。俺は葵を諦める代わり

にキスをしようと思っていた。

「やっ・・・何でもない」


葵に、キスがしたい。だけどそんな事軽々

しく口にするなんて出来なくて、俺はついつ

い口ごもってしまった。
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