歪んだ恋の形
[郁結side]

朝、笑夢と学校に行ったのになんか化粧濃い女子に絡まれた


愛想よく話していたら気づいたら笑夢はいなくなってた


俺は恋とか好きとかはよくわからない
どんな気持ちになったら好きに値するのか全くわからない


教室に行くと親友の榊 悠介 (さかきゆうすけ)がいきなり泣きついてきた


「郁結~」


「な、なに!」


「また、女の子に振られたあああ」


…一体何人に告白しているんだろう
ほとんど毎日泣きつかれてる気がするのは俺だけなのか


「…今度は3-3の笑夢ちゃんにでもアタックしよっかな」


…!!


「悠介、あいつはやめとけ」


「…なんで??」


なんでって言われても俺にやめとけっていう資格なんかないのに…


なんて言おう…
あっ!!


「あいつ、好きな人おるらしいから振られるのがオチだろ」


「好きな人いんのかあ
んー、めっちゃ可愛いのにな~」


「ていうかどいて
1時間目の用意できない」


「へいへい」


1時間目は理科か…


はやく終わってほしいな


★★★

[梨花side]


やっと終わったあ
数学の時間ほんとながい


3組行こっと
郁結くんに会いに行こっと!!


ふふふふ~ん♪


「あ、郁結くん!」


ちょうど郁結くん1人だ
ラッキー!!


「なに?」


「あのね、昨日はありがとう!
それでね、pix交換してほしいなって思って」


「…ごめん、俺あんま交換しないようにしてるの
女子なんか特に…ごめんね?」


「えー、そうなの?
ざーんねん」


「そういえば、笑夢は?」


「笑夢は保健室行ったの
なんか頭痛いんだって」


...どうして笑夢の心配するのかな
郁結くんと笑夢はどんな関係?


聞きたい...
けどなんか聞かない方がいい気もする


「ありがと」


あっ!!
郁結くん走って行った


保健室行ったのかなあ
...こっそり覗きに行こっと



[郁結side]


ガラガラー


ツンとした独特な匂い
ここは相変わらずな匂いを漂わせている


保健室の先生はいなくて、2つある内の1つだけベッドのカーテンがしまってた


きっと笑夢が寝ているのだろう


俺はおかまいなしにカーテンを開けた


「笑夢」


「うわぁ?!
郁…結?」


そこにはなんでここにいるのって顔をしてる笑夢が寝ていた


「頭痛いんだって?」


「…誰から聞いたの?」


「梨花ちゃん」


梨花ちゃんの名前を聴いた途端反対方向を向いて、


「全然痛くない
だから帰っていいよ」


「帰らない」


「なんで?
ほっといて、お願い」


静寂が続く


笑夢の手を引っ張っても笑夢はこっちを向かない
ずっと反対方向を向いているだけ


「…なんでそんなに目赤いの?」


「赤くない」


カーテンを開けた瞬間すぐに気づけるほどの赤さ
誰でも気づけるほどだった


余程悲しいことがあったんだろう


「じゃあこっち向いて」


「嫌」


何度こっちを向いてと言っても嫌しか言わず俺はただその場にいるしかなかった


「大丈夫だから帰っていいよ」


ピロリリンー


笑夢のpixがなった


「誰から?」


「梨花」


「なんて?」


「郁結くん保健室行った?って」


「は?
なんで俺の居場所聞くの?」


「…なんか昨日荷物持ってもらったからお礼したくて仲良くなりたいらしいよ」


「ふーん」


嘘だ


高校2年生の時に気づいた笑夢の癖


笑夢は嘘をつく時絶対手を頭の後ろで組む癖がある


それは携帯を持っていてもある癖
そこ癖は相変わらずなおっていないみたいだ


そんなに隠したいことってなんなんだ?


でも今きいたってきっと答えてくれない


「俺…あの子苦手だわ」


「ほんと?」


「うん」


すげー安心した顔してんなあ
まあ、実際ほんとに俺梨花ちゃん苦手


なんか男子の前で声変えてる気がするし…


「んじゃ、俺教室帰るな」


「…ばいばい」


2時間目ぎりぎり…


俺はまた階段と廊下を走って教室に行った
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