天ヶ瀬くんは甘やかしてくれない。
なんだか菜子さんの話を聞いてると
天ヶ瀬くんが拗ねているように聞こえてしまう。
まさか、あの天ヶ瀬くんが拗ねたりするなんて思えないけど。
「まあ、というわけだももちゃん。すぐに佑月と会って話したほうがいいかもしれない」
「えぇ、そんなこと言われても」
どうやって話せばいいかわかんないのに。
「もう俺から連絡しといたから」
「は、い!?」
「ほら、いくぞ菜子。俺たちここにいたら邪魔だから」
「え〜、まだ飲めてないのに」
まだ半分以上も残っているドリンクを手に持って、そのまま立ち去ってしまった。
菜子さんにいたっては「男の嫉妬ほど厄介なものってないわよ、ももちゃん」なんてわけのかわらないことを残していった。