天ヶ瀬くんは甘やかしてくれない。
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「あれ、ももお昼は?」
「あ……あんまり食欲なくて」
午前の授業をなんとか乗り切って、今はお昼休みの時間。
花音と一緒にわたしの席でお昼を食べている。
いや、正確に言えばお昼を食べているのは花音だけ。
どうやら体調は悪化しているみたいで、こうして起きているだけで億劫。
そんなわたしを花音が心配する。
「大丈夫?購買で食べれそうなもの買ってこようか?ヨーグルトとか」
「ううん…大丈夫。購買混んでるだろうし」
お昼の時間の購買といえば人がすごすぎて、パン1つ買うのですら大変なのに。
そんな人混みの中に花音をいかせるのは申し訳なさすぎる。
「でもなんか食べないと午後持たないよ?」
「あと2時間だから…頑張る」
一応、お弁当は持ってきてるけど、食べれそうにない。
何か食べて気分が悪くなるより、食べないほうがマシだろうし。