天ヶ瀬くんは甘やかしてくれない。
頭がボーッとして、本格的にやばくなってきた。
黒板に書かれていく内容を必死に写して、先生の説明を聞こうとするけど、それどころじゃなくなってきた。
……だるいし、寒気がするのに、変な汗が出てくる。
ただでさえ、大変だっていうのに。
「じゃあ、いま説明したから、この問題を……浅葉さんに解いてもらおうかしら?」
最悪……。なんでこんなときに当たるのさ。
ただでさえバカで、理解力ないのに、それに加えて今日は体調が優れないから、さらに頭が回らない。
「黒板のところにきて問題解いてくれるかしら?」
無茶言わないでよ、先生。
とは言えないので、うっすらする意識の中、とりあえず問題を見る。
たしかにこれはさっきの説明を聞いていれば解けるけど…
残念ながら、意識が朦朧としていて覚えていない。