天ヶ瀬くんは甘やかしてくれない。



保健室につくと、たまたま先生がいなくて、とりあえず熱を計るためにベッドに座らせられた。


しばらくすると、天ヶ瀬くんが体温計を持ってきてくれて、熱を計ろうとしたんだけど、天ヶ瀬くんがベッドから離れてくれない。


「えっと、熱計りたいんだけど……」

「うん、計れば?」


本音を言うなら、カーテンを閉めて、外で待っていてほしい。

ブラウスのボタンに手をかけたまま、先に進めない。


すると、そんなわたしの様子を見て何か察したのか。


「あー……そーゆーこと?」

「は、恥ずかしいので出て行ってくれると助かります…」


なんで語尾が敬語になったのかはわからないけど、熱を計るにはブラウスを少し脱がないといけないから、見られるのは恥ずかしい。

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