天ヶ瀬くんは甘やかしてくれない。



「へー、恥ずかしいの?」

ちょ、ちょっとまってよ。
なんでこの人、急にこんな楽しそうな顔になってるの……!?

しかも出て行ってって頼んでるのに、近づいてきてるし。


「いいじゃん別に。恥ずかしがることなくない?」

「ぅ……やだ、無理」

無理だと訴えても、なぜか出て行ってはくれない。


すると。


「んじゃ、手伝ってあげよーか?」

「っ……!?」


スッと、天ヶ瀬くんの手が襟元に近づいてきて、ブラウスのボタンが上から外された。


ひとつ、ふたつ……外れたところで、手が止まった。


「へー、まだきれいに残ってんだ」


首筋をツーッと自らがつけた印をなぞりながら

耳元でそっと


「……消えたらまたつけてあげよーか?」


甘い甘いささやきに、もっと熱が上がったような気がした。

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