天ヶ瀬くんは甘やかしてくれない。
引き離せないふたり。
「んー……!!完全復活!」
風邪が完全に治り、今日から学校に行けるようになった。
「おいおい、良くなったからってあんま調子乗んなよ?」
「もう完全に良くなったから大丈夫だもん」
今は愁桃と2人並んで、久しぶりに一緒に登校している。
いつもいつも、口癖のように送り迎えはいらないと言っているのに、今日は
病み上がりで心配だからという理由で一緒に登校。
これじゃいつまでたっても愁桃はわたしから離れてくれない。
何かと理由をつけてくるから。
あっという間に、学校に着き、愁桃と別れて教室に向かう。
そのとき考えてしまった…。
天ヶ瀬くんと会ったら、どうしようと。
同じクラスで、席も前後で。
関わることがないわけがない。