天ヶ瀬くんは甘やかしてくれない。
だから、それを言葉に出した。
「他の女の子にもそういうこと言ってるくせに」
ストレートすぎたかもしれないけど、こうでもしないと伝わらない気がして。
わたしの言葉に反応して、そのまま近かった距離を離して
今日何度目だろう。こうして視線が絡み合うのは。
「だったらなに?」
「っ……」
返ってきた、言葉と視線は冷たいものだった。
「求められればそれに応えるだけ」
その言い方だと、少なくともわたしが求めてるみたいな風に聞こえるんだけど。
「別にわたし求めてなんか……」
「そう?目が合うたんびに、俺のことすげー見てたくせに?」
もともと天ヶ瀬くんの性格はかなりひねくれてるとは思ってたけど。
まさかここまできていたとは。