天ヶ瀬くんは甘やかしてくれない。
ぜんぶ、おわってしまう。
いや、もうおわらせる……。
まさか、こんな日が来るなんて思っていなかった。
自分から、天ヶ瀬くんを手放してしまう、そんな日が来るなんて……。
「じゃ……あ、もうわたしたち付き合ってる意味ない…ね」
あっけなく、おわってしまう。
「付き合ってるって言えるほどでもなかったけど」
「っ……」
耐えられない……これ以上、何を言っても、どうすることもできない。
だから
「━━もう、別れよっか……っ」
こんな苦しい想いをするなら、
最初から付き合ったりなんかしなければよかった……。
きっと、この選択は正しいんだ…。
天ヶ瀬くんは唯乃さんの元へいって、
わたしは愁桃を選んでしまえば
苦しむ人は誰もいないのだから……。