天ヶ瀬くんは甘やかしてくれない。



今は学校が終わって、愁桃の家で次のテストに向けてお勉強中。


横長のテーブルが床に置かれていて、
そこで教材を広げて、愁桃に勉強を教えてもらっている。

2人で床に座って、隣同士並んでいるから肩があたるくらい距離が近い。


「んー……頭が疲れた」

「バーカ、たいして勉強してねーのに疲れんの早すぎなんだよ」


いつもテストは赤点スレスレでやってきてるから久しぶりにちゃんと勉強してる気がする。


「だってわたし愁桃みたいに頭良くないもん」


こう見えて…とか言うと失礼だけど、愁桃は昔から頭良くて、テストではいつも上位の成績をキープしてる。


「俺だってちゃんと勉強してんだよ。だからお前も頑張るんだよ」

「んええ、何それ」


机にぺしゃっと顔をつけて、完全にやる気をなくした。

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