天ヶ瀬くんは甘やかしてくれない。



「……ほんとは今すぐにでもお前のこと俺のものにしたいけど。でも、ももの気持ちがきちんと俺に向くまでそういうことはしねーつもりだから」


そう言うと、わたしの手を離して、元の場所に戻った。


こういうところほんとに愁桃らしいなって思う。

誰よりもわたしのことを大切にしてくれて、嫌がることを絶対にしない。

昔から変わらないな。


「だけど、お前があんまり無防備な格好してると勢いで襲うかもしれねーよ?」

「は……は!?」


な、なんかさらっと、とんでもないこと言わなかった!?


「さっきベッドに寝転んだときスカートの中見えそうだったけど」

「っ!?ちょっ、愁桃っていつからそんな変態になったの!?」


「バーカ、見てねーし」


「当たり前でしょ!!」


すぐにベッドから飛び起きて、なぜかその場で正座してしまった。


「ははっ、あからさまに動揺しすぎ」

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