天ヶ瀬くんは甘やかしてくれない。
天ヶ瀬くんを好きなワケ。
そもそも、なぜわたしが天ヶ瀬くんのことを好きなのかというと
そこには一つの理由があったりする。
あれはわたしが中学3年生の時。
この高校の受験を決めて、試験の当日の日のことだった。
今もそうだけど、家から学校まではバスで向かうしか手段がなくて。
その日、受験のためにバスを利用した。
朝早いこともあってか、バスの中は定員オーバーなんじゃないかってくらいの人の多さ。
特にサラリーマンの人たちが多くて。
それに乗らないと時間に間に合わなくてそのバスに乗り込んだ。
普段からあまりバスに乗る機会がなくて、しかも乗り物に酔いやすい上に、
人の多さで人混みにも酔いそう。
そう、ただでさえ、気分は最悪でこれ以上のことが何も無いように願っていたのに。