天ヶ瀬くんは甘やかしてくれない。



「ほんとはすげー悔しいけどな。こんなやつにももを奪われたのかって思うと」

こ、こんなやつって……。
本人に向かってそんな言い方するかな。


「……もも、俺ってこんなやつなの?」

「う、うーん……わたしに聞かれても」


「バーカ、お前女にだらしねーじゃん。そんなやつに大切な幼なじみを任せられるか不安なんだよ」


あぁ、たしかに。
それは言えてるかもしれない。

しかも、好きっぽいことは言われたけど、付き合ってとは、はっきり言われていないことに今さら気がついた。


あれ……?わたしって愁桃と別れたら天ヶ瀬くんの彼女になるの?

でも彼女になってとか言われてない。


まさか、あの好きって別に大した気持ち入ってないとか…!?

ひとり、いろいろ考えて、不安になっていると。

< 261 / 327 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop