天ヶ瀬くんは甘やかしてくれない。
「ふつーに気になった。だって俺のこと好きにならない自信あるとか言ってたじゃん」
それはそうだけども……!
できればその辺は触れないでほしかった。
だって、もう好きになってたのに、そんなこと言ってしまってたんだから。
「そ、そういう天ヶ瀬くんだって…いつわたしのこと好きになったの?」
「気づいたら好きになってたってやつ」
「なにそれ……」
わたしはそんな簡単な理由じゃないんだから!
「自分のものにしたいって思ったし、独占したいって思ったから」
「っ!」
「それと意外とピュアなところがけっこー好き」
「ピュア……?」
「そー。だって俺が可愛いとか、キスしたいとか言ったらすぐ顔赤くすんじゃん」
「そ、それは……!だって言われ慣れてないんだもん……」
それに、好きな人から可愛いとか、キスしたいとか言われたら顔赤くなるに決まってるでしょ……!