天ヶ瀬くんは甘やかしてくれない。



「あなた、今日いろいろ大変だったのね?あなたのこと運んできてくれた男の子が事情を全て話してくれてね」


「え……わたし一体どうやってここまで」


「男の子がおんぶで運んでくれたのよ」


「え……えぇ!?」


な、なんで?運んでくれたのってあの学ランの子だよね!?


え、てかなんでわたしの受験する高校わかったの?


「たまたまあなたが手に受験票持ってるのに気づいたみたいでね。その男の子もたまたまここを受験するみたいで、あなたを運んでくれたみたいよ?」


あ、なるほど。
確かにわたし不安で不安で、手に受験票握りしめてたんだっけ。


「あ、あの。その子は試験ちゃんと受けれましたか…?」


「えぇ。あなたを運んだ後に急いで受験会場に向かったから心配しなくても大丈夫よ」


よ、よかった。

もしわたしのせいで受験出来なかったなんてことになってたら申し訳なさすぎるもん。

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