天ヶ瀬くんは甘やかしてくれない。



まだ中学生だったとき、この高校の受験日にバスで助けてもらったことを話した。


そのときからたぶん、少しだけど天ヶ瀬くんのことを好きになってたのかなって。

それで無事に同じ高校に入って、天ヶ瀬くんを探したことも伝えた。


すべて話し終えると。


「あー……なんかそんなことあったよーな気がする」

曖昧だけど、覚えていてくれたみたいで。


「あ、あのとき助けてくれて、学校まで連れて行ってくれてありがとう」


すごーい今さらだけど、せっかく打ち明けることができたから、お礼は言ったほうがいいのかなと。


「まさかあのときの子がももだったとはね」


「た、たぶん天ヶ瀬くんが助けてくれなかったら、ここの高校受けれてなくて、あと、天ヶ瀬くんが理由をちゃんと先生に話してくれたから試験も無事に受けれたの」

< 274 / 327 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop