天ヶ瀬くんは甘やかしてくれない。

呆れられて、また顔を伏せてしまった。

「も、もしかしたら告白されるかもしれないじゃん…！」

「なに、告白されたいわけ？」

「いや、そういうわけじゃな……」


「俺がいるのに？」

そ、そりゃわたしには天ヶ瀬くんがいるけども…！


「それとも俺じゃ満足できない？」

「い、いや！充分満足です」


「んじゃ、いっちゃダメでしょ？ももは俺のだってちゃんと自覚してんの？」


でもなぁ……もしかしたらわたしが行かなかったらずっと待ってるかもしれないじゃん？

それだったら申し訳ないし、断るだけでも行ったほうがいいんじゃないかなって思う。


「や、やっぱりちゃんと行ってくる！」

「は……？」


「断るだけだから！待たせちゃうの悪いし！」

わたしが教室を出て行こうとしたら。


「……ほんとバカ。なんかあっても知らないよ。助けてあげないから」


そう一言、天ヶ瀬くんから告げられた。