天ヶ瀬くんは甘やかしてくれない。
「なんかあんまはしゃがなさそーなイメージだったから」
「いやいや!この状況ではしゃがないのは天ヶ瀬くんくらいだよ!」
わたしがこんなに楽しくしてるのに、天ヶ瀬くんは黙ったまま、ネコに触ろうともしない。
せっかくだから一緒に楽しみたいのになぁ。
「んー、無理」
「えぇ、こんなに可愛いのに」
もう一度、ネコちゃんを抱っこして天ヶ瀬くんに近づけると、あからさまに嫌そうな顔をされた。
せっかく猫カフェに来ているのに、そんな顔しなくても。
それからずーっとネコちゃんとは遊ばず、イスに座って、ただわたしがネコちゃんと遊んでいる姿を眺めているだけだった。
すると、わたしが猫じゃらしを持って遊んでいると。
「揺れるものが好きなネコの気持ちはわかる」
わたしに近づいてきて、突然わけのわからないことを言ってきた。
「は、い?いきなりどうしたの?」