天ヶ瀬くんは甘やかしてくれない。



そして、事件は起こった。


猫カフェを出て、歩いていると。
天ヶ瀬くんの足取りがフラフラとしていた。


「天ヶ瀬くん?大丈夫?」


顔色を伺うと、とても良いとは言えない。

さっきまでネコに夢中で気づかなかったけど、体調が悪そうなのは顔を見てわかる。


「ん……大丈夫……」

「ほ、ほんとに?」


「じゃない……」

「え、え!?」


ついに1人で立っているのが、辛くなったのか、わたしにもたれかかってきた。


「だるい……無理」

「ちょ、ちょっとまって!とりあえずどこかで休もう?」


フラフラの天ヶ瀬くんを休ませるために、カフェかどこかに入ろうかと思ったけど

身体を横にできる場所がいいと判断したわたしは、とりあえず近くにあったビジネスホテルに入ることを選んだ。

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