天ヶ瀬くんは甘やかしてくれない。
「だ、大丈夫!?」
空室があったので、なんとか部屋まで天ヶ瀬くんを連れて行った。
部屋は狭くて、ほんとに1人が泊まるにちょうどいいくらい。
入り口からすぐに、大きなベッドがひとつあって、そこに天ヶ瀬くんを寝かせる。
「あー……だるい。死にそう」
ベッドに寝転んで、自分の手をおでこに乗せて、ほんとにだるそうなのがわかる。
「そんなこと言わないの!もしかして朝から調子悪かった?」
とりあえずペットボトルのお水をさっきロビーの自販機で買ったので、それを手渡す。
「飲めないからもも飲ませて」
「な、なに言ってるの!これくらい自分で飲んで…!」
ちょっと強く言いすぎたかなって思ったけど、わたしが飲ますとか無理だし!