天ヶ瀬くんは甘やかしてくれない。



「なんでわかってたのに猫カフェなんか行こうとするの!?」

「ももが行きたいって言ったから」


「いやいや!アレルギーあるなら違うところにしたのに!」


まさかこんなことになるなんて。
しかもバカなわたしは、ネコに夢中で天ヶ瀬くんのことを気にしてあげられなかった。

……彼女として情けなさすぎる。


「いいよ、べつに。少ししたらおさまるだろーし」

「でも、だるいって。くしゃみ止まってないし、目も赤いし」


今そばにネコはいないのにおさまってないのはどうしてなんだろう?


「……いったんシャワー浴びてくる」

「え?」

「ネコの毛とかもダメだから」

「え、あっ、そうなの!?」


ってか、よくよく考えたら、わたしネコアレルギーの人にネコを近づけたりしちゃってたじゃん。

や、やってしまった……。

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