天ヶ瀬くんは甘やかしてくれない。



今は明るい髪色だけど、中学のときの黒髪の天ヶ瀬くんも好きだったなぁ。


「もう黒髪にはしないの?」

「いつの話してんの?」


「出会ったとき黒髪だったじゃん」

「……今はこの色が好きだから戻す予定ないけど」


まあ、今の髪色もとても素敵で、似合ってるからいいけど。


少しだけ懐かしくなってしまった。
出会った頃の天ヶ瀬くんが。


「なに、昔の俺のほーが好き?」

「ううん。今の天ヶ瀬くんも好きだけど、昔の天ヶ瀬くんもカッコよかったなぁって思って」


「……あんま可愛いこと言うと、今度は我慢できなくなるよ」

「へ?」


あ、あれ?思ったことを率直に伝えただけなのに変なスイッチ入ってないかな?

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