天ヶ瀬くんは甘やかしてくれない。
「身長は?血液型は?あっ、誕生日はいつ?」
「……すげー質問攻めするね」
「だって、せっかく聞けるチャンスなんだもん」
「別にこれからも一緒にいるんだから、そんな焦ることなくない?」
「っ!」
また、そんなさらっと嬉しいこと言っちゃって。
これからも一緒にいてくれるんだって、期待しちゃうじゃん。
「じゃ、じゃあ、これからたくさん教えてね?」
「気分次第」
「えぇ」
そんな会話をしながら、日誌がようやくまとまって、プリントを留める作業を開始した。
「あ、そーいえば」
天ヶ瀬くんがホッチキスでプリントを留めながら、何かを思い出したかのように声を出した。
「唯乃が今度ももに会いたいって」
「は、はい……?」
久しぶりに聞いた唯乃さんの名前に、ドキッと心臓が音を立てる。