天ヶ瀬くんは甘やかしてくれない。
ジワリと、顔を近づけてキスされるのかと思って目をギュッとつぶると。
天ヶ瀬くんの人差し指が唇に押さえつけられた。
「何されるの想像してたの?」
わかってるくせに、聞いてくるところがとってもずるい。
だけど、そのずるさにはまってしまって、くせになりそう。
「イジワル……っ」
少しは甘やかしてくれてもいいのに。
「俺に何して欲しいか、その口で
言ってみなよ」
やっぱり
天ヶ瀬くんは甘やかしてくれない。
*End*