天ヶ瀬くんは甘やかしてくれない。



それから後輩の女の子たちの対処をしてから教室に足を向けた。


「ももー、おはよ」

「あぁぁ、花音おはよ…」


教室に着くと、真っ先にわたしの友達の並木花音(なみき かのん)が声をかけてくれた。


「なんかお疲れ気味?」

「うん、ちょっとね」


「もしかしてまた天ヶ瀬くん関係?」

「ん…、そんなとこ」


花音はわたしが天ヶ瀬くんのことを好きなこと、付き合うことになった経緯も全て知っているとても信頼している友達のひとり。


「大変だねー、タラシくんの彼女は」

「タラシくんって言い方やめてよ」


「事実じゃん?」

「そうだけども!」


否定できないところは天ヶ瀬くんがタラシくんだから仕方ない。


「そんなんで愁桃くんは大丈夫なのー?」

「全然大丈夫じゃないよぉ…」


こっちとら女子の相手で大変だっていうのに、それに加えて愁桃のこともあるし。

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