天ヶ瀬くんは甘やかしてくれない。
すると、なんともイジワルそうな笑みを浮かべながら
しゃがんでいるわたしに目線を合わせて、同じように天ヶ瀬くんもしゃがんだと思ったら。
「助けてほしい?」
いきなり、顔を近づけてきて、そんなことを言う。
「も、もちろん」
すると、天ヶ瀬くんの人差し指がわたしの唇にグッと押し付けられて。
「んじゃ、ももからキスして」
「ん……?は、はぁ!?」
いや、なぜにこの展開でその考えに至る!?
「ほら、はやーく」
「いや、天ヶ瀬くん。頭は正常ですか?」
「いつも通り正常」
「異常にしか見えな……」
「それ以上余計なこと喋ったらそのうるさい口塞ぐよ?」
……黙ります。
もう、なにさ。いきなりこんなこと言うなんて。
ほんとなに考えてるの?