天ヶ瀬くんは甘やかしてくれない。
「あ、いや、えっとこれは…!」
わたしが必死に何か言い訳しようと頑張っているっていうのに。
それを盛大に無視して。
「見てわかんないんですか?」
ちょ、ちょっと!!この人何言ってるのかな!?
なんでそんな偉そうなのかな!?
「あなたね〜!!そんな生意気なこと言ってると立ち入り禁止にするわよ?」
「へー、どうぞご自由に」
とか言いながら、緩めたネクタイを軽く直していた。
こ、これが生徒が先生にとる態度だろうかと目の前の光景に目を疑う。
「あなたも、こんなタラシくんの相手しちゃダメよ?」
「え?」
先生、今たしかにタラシくんって言った?
「この子ってば隙があれば女の子連れ込むんだから」
「せんせー、その言い方だと誤解されるんですけど」