天ヶ瀬くんは甘やかしてくれない。
周りから見たらわたしと愁桃、
天ヶ瀬くんと隣にいる女の人が恋人同士に見えるに違いない。
なんておかしな光景だろう。
仮にも付き合ってるっていうのに、お互い隣に違う人がいるなんて。
普通ならありえないはずだ。
わたしの場合は幼なじみと一緒に買い物に来ただけ。と言い訳はできるけれど
天ヶ瀬くんの場合はどうだろう…。
どう見ても深い関係にしか見えない…。
さっきまで真っ白だった頭の中で一気に憶測が飛び交ってくる。
すると、ずっと黙って座っていた愁桃が立ち上がった。
……まずい。天ヶ瀬くんのことばかり考えていたけど、この場に愁桃もいることを忘れかけていた。
きっと、この光景を見て黙っているわけがない。