天ヶ瀬くんは甘やかしてくれない。
なんの迷いもなく、ストレートに言われてしまった。
「もも以外ありえない」
「っ、そんなこと言われても」
「お前が天ヶ瀬のこと本気で好きなのは知ってる。だけど俺はそれ以上にお前のこと好きなんだよ」
「なんで……今日に限ってそんなストレートなの」
いつもこんな想いを伝えてくることなんかなかった。
「お前がアイツを想って泣くから悪いんだよ」
頭をくしゃくしゃとされてしまった。
「ちょっ、やめてよ」
その手を止めようとしてみれば、逆に手をつかまれてしまった。
再び、真剣な眼差しでこちらを見つめる。
その瞳に一瞬だけ見惚れてしまった。
「……俺を好きになれよ、もも」
この想いに、いつか応えることができたらいいのに……。