天ヶ瀬くんは甘やかしてくれない。
***
いつもとなんら変わりない帰り道。
少しだけ違うと言えば、今日は愁桃が委員会の仕事があるから居残りをしてるため1人で帰っている。
終わるまで待ってろって言われたけど、なんだか今日は1人で帰りたい気分だったから断った。
少しだけ寄り道をして帰ろうと思い、駅のほうに足を向けた。
まだ夕方の4時過ぎ。帰ってから何もすることがないから、とりあえずカフェで時間を潰すことにした。
カフェラテを飲みながらボーッと過ごす。
ガラス越しに見える外は帰っていく通勤通学の人たちでごった返している。
そんな中、ある人たちを視界にとらえた。
目を見開いた、なんなら目をこすった。
見間違いかと思った、人違いかと思った。