天ヶ瀬くんは甘やかしてくれない。



これはいったいどーゆーこと?

頭の中はハテナマークで埋め尽くされそうになっていた。

わたしがそんなことになっているなんて知らない星川くんは


「よかったらここ座ってもいい?」


なんてことを聞いてくる。
そして、わたしが答える前にテーブルを一つ挟んで座っているではないか。


「ほら、菜子も座れよ」

どうやら、この女の人は菜子(なこ)さんというらしい。


星川くんに促されて、「いいの?」と聞きながらも隣に座った。


き、気まずい……。
何を話したらいいのかわからないわたしがとった行動は、目の前のカフェラテをひたすら飲むこと。

ストローで吸いながら、2人をジーっと見つめる。


星川くんは頬杖をつきながら、何やら不審な笑みを浮かべていて、

隣にいる菜子さんはメニューとにらめっこ。

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