天ヶ瀬くんは甘やかしてくれない。
そこには注文したドリンクを両手に持って、わたしと星川くんを不思議そうな顔で見ている菜子さんの姿。
「あ、いや…えっと……」
なんと言えばいいんだろうと、言葉を詰まらせていると。
「なぁ、菜子。先週の日曜に佑月とどっか行った?」
「先週?……あ、行ったわよ?その時ちょうどこの子にも会ったけど」
「2人で一緒だった時に会ったのかよ」
「えぇ。那月のプレゼント買うの付き合ってもらったんだけど」
え……ちょっとまって。
今の言い方だと……わたしの考えていたこととズレがあるような。
「まさかとは思うけど、ももちゃんさ菜子と佑月の間になんかあるとか考えた?」
コクリと首を縦に振った。
すると星川くんから盛大なため息が漏れたのと。
「えぇ〜!なにそれ〜。冗談キツくなーい?」
まるで、そんなことありえないって、おかしそうに笑う菜子さん。