天ヶ瀬くんは甘やかしてくれない。



えぇ……いったいどういうこと?


「いやー、これはちゃんと菜子のこと説明しなかった佑月にも非はあるよな」


「それってどういう……」


「菜子は俺の彼女だから」


オレノカノジョ……?
俺の彼女!?

目が飛び出るんじゃないかってくらい驚いた。


「そうそーう。わたしは佑月じゃなくて、那月の彼女だよ?」

な、なんじゃそりゃ!!


「で、でも、仲よさそうにしてたじゃないですか!」


腕組んでたし、どう見たって彼氏彼女にしか見えなかったもん。


「そう?あれくらいふつーじゃない?」

「ふつーじゃないです!」


完全にわたしの勘違いだったことが証明されてしまった。


「これでももちゃんのわだかまりは解けたわけだ」


「なになにー?気になるじゃなーい」

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