天ヶ瀬くんは甘やかしてくれない。

そして星川くんの口から、わたしが天ヶ瀬くんの彼女であることが告げられた。


大きな目をさらに見開いてパチクリさせながらこちらを見ている。


「え、佑月の彼女だったの？」

「い、一応……」


「でもあなたわたしたちと会ったとき男の子と一緒だったじゃない？てっきりその子が彼氏だと思ってたわよ？」

「幼なじみってやつです…」


これはわたしが悪いのかもしれない。
天ヶ瀬くんと菜子さんは何もなかったわけで。

変な誤解をしてしまったのはわたしのほう。


「へぇ〜。そういうことね。どうりであのあと佑月の機嫌が悪くなったわけね」

「なに、もうその時から機嫌悪かったわけ？」


「そうそう。ずーっとムスッとしてて、いつも以上に機嫌悪くて大変だったんだから〜」