守りたい人【完】(番外編完)
大きく息を吸って、空を見上げる。
どこまでも広がる広大な空を見ていると、自分の悩みがちっぽけなものに感じる。
そして、それと同時に母の言葉を思い出す。
『ここには何もないように見えるけど、本当に必要なもの全部揃ってるのよ』という言葉を。
確かに、ここには何もない。
コンビニも本屋も映画館も、お洒落なカフェも地下鉄も流行りの服も。
だけど、生きていく上で一番大切なものはそんなものじゃない。
それは人生を少しばかり『楽しく』するだけのもので、本当に必要なものではない。
本当に大切なものは他にある。
まだそれが何なのかはハッキリとは分からないけど、そうだと思える。
それは、ここにあるのだと思える。
今は。
「明日、焼き肉にしましょうか」
そう言って、勢いよく朝比奈さんの元に駆け寄る。
すると、そんな私を見て朝比奈さんは少しだけ不愛想な顔を緩めた。
「俺カルビ多めで」
「え~豚バラでしょ~」
ケラケラと笑いながら、懐中電灯の明かりの元、歩いていく。
頼りない灯りだけど、真っ暗闇の中ではそれが道標になる。
その灯りが正しいと思えば、私はもう迷う事なく前に進める。
進んだその先に、明るい未来があると信じて――。
どこまでも広がる広大な空を見ていると、自分の悩みがちっぽけなものに感じる。
そして、それと同時に母の言葉を思い出す。
『ここには何もないように見えるけど、本当に必要なもの全部揃ってるのよ』という言葉を。
確かに、ここには何もない。
コンビニも本屋も映画館も、お洒落なカフェも地下鉄も流行りの服も。
だけど、生きていく上で一番大切なものはそんなものじゃない。
それは人生を少しばかり『楽しく』するだけのもので、本当に必要なものではない。
本当に大切なものは他にある。
まだそれが何なのかはハッキリとは分からないけど、そうだと思える。
それは、ここにあるのだと思える。
今は。
「明日、焼き肉にしましょうか」
そう言って、勢いよく朝比奈さんの元に駆け寄る。
すると、そんな私を見て朝比奈さんは少しだけ不愛想な顔を緩めた。
「俺カルビ多めで」
「え~豚バラでしょ~」
ケラケラと笑いながら、懐中電灯の明かりの元、歩いていく。
頼りない灯りだけど、真っ暗闇の中ではそれが道標になる。
その灯りが正しいと思えば、私はもう迷う事なく前に進める。
進んだその先に、明るい未来があると信じて――。