守りたい人【完】(番外編完)
回線が切れて、呆然と立ち尽くす。
頭の中に情報が一気に入ってきて、こんがらがっている。
「何? なんかあった?」
呆然と立ち尽くす私を見て、訝し気に首を傾げる朝比奈さんだったけど、返事すらできない。
頭の中で疑問符が渦のように回っている。
それでも、ここに新しい人が来る事に変わりはないのだから、急いで準備しなきゃ。
そう思って、慌てて二階の部屋に向かおうとした、その時――。
「あ~! こっちこっち! こっちです!」
突然静かだった世界に、そんな声が聞こえる。
その声に動かしていた体を止めて、後ろを振り返る。
すると、朝比奈さんにも聞こえたのか動きを止めた彼が伺うように玄関先を見つめていた。
すると。
「こんにちわ~!」
次の瞬間、どこか間延びした声が玄関の方から聞こえて嫌な予感が湧きあがる。
まさか、もう来ちゃったとか!?
嫌な汗が零れそうになる中、勢いよく駆けだして玄関を開ける。
それでも――。