守りたい人【完】(番外編完)
濃い茶色のクルンクルンとした天パの髪と、クリクリの大きな目。

どこか野球少年を思わせるような無邪気な笑顔と、少し焼けた肌。

肩幅もしっかりしていて男らしい体格だ。


「助かりましたわ。おおきに。えっと、大家さんはどこやろか」


ポカンとする私とは別に、関西弁のその人はペラペラと息継ぎも無しにそう言った。

その言葉の意味を一瞬理解し損ねたけど、我に返って慌てて立ち上がって頭を下げた。


「わ、私が大家の姫野志穂です!」


慌ててそう言って顔を上げると、のんびりと腰を上げた男性がニコニコと嬉しそうに笑った。


「こんなベッピンさんが大家さんなんか! えらい得した気分やな!」

「えっと、本当は両親が切り盛りしてるんですけど、訳あって臨時で私が……」

「かまへんかまへん。なんや、それならもっとええ服着てくればよかったわ」


ペコペコと頭を下げる私の肩をバシバシ叩く男性は、調子良さそうにそう言って、馴れ馴れしくも肩を組んできた。

その事にギョッとするが、彼に至っては全く気にしてない様子だ。


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