守りたい人【完】(番外編完)
それでも、鍛冶君はそんな事気にしていないといった風に、ケラケラと笑う。
そして、ゆっくりと私から体を離して優しく微笑んだ。
「真剣に聞いてくれてありがとう。この涙だけは、俺のもんやろ?」
そう言って、拭ったばかりの瞳からポロリと落ちた涙を指ですくって、優しく微笑んだ鍛冶君。
そのどこまでも優しい言葉に、わぁっと声を上げて泣きたくなった。
「志穂ちゃんの、そういう優しい所、大好きやわ」
「――」
「今はまだ素直に朝比奈さんの事応援できへんけどな」
そう言って、悲しそうに笑った鍛冶君は瞬きを繰り返す私の髪を何度も撫でた。
そして、一度息を吐いてじっと私を見つめた。
「もう少しだけ、想わせてくれるか」
「――」
「好きでいる事、許してな」
どこか辛そうに笑った鍛冶君のその顔が月明りに照らされる。
まるで祈りのようなその声に、私は何も言わずにコクンと小さく頷いた。
そして、ゆっくりと私から体を離して優しく微笑んだ。
「真剣に聞いてくれてありがとう。この涙だけは、俺のもんやろ?」
そう言って、拭ったばかりの瞳からポロリと落ちた涙を指ですくって、優しく微笑んだ鍛冶君。
そのどこまでも優しい言葉に、わぁっと声を上げて泣きたくなった。
「志穂ちゃんの、そういう優しい所、大好きやわ」
「――」
「今はまだ素直に朝比奈さんの事応援できへんけどな」
そう言って、悲しそうに笑った鍛冶君は瞬きを繰り返す私の髪を何度も撫でた。
そして、一度息を吐いてじっと私を見つめた。
「もう少しだけ、想わせてくれるか」
「――」
「好きでいる事、許してな」
どこか辛そうに笑った鍛冶君のその顔が月明りに照らされる。
まるで祈りのようなその声に、私は何も言わずにコクンと小さく頷いた。