守りたい人【完】(番外編完)
第二章


「志穂ちゃん、おっはよ~。今日も可愛いで!」


元気すぎる声が、朝の姫野荘に響き渡る。

あまりにも元気なその声と、ぶっ飛んだ言動に苦笑いを浮かべた。


「おはようございます、鍛冶君」

「おぉ! 今日は俺の好きな、じゃがいもの味噌汁や~ん!」

「鍛冶君と朝比奈さんが採ってきた、じゃがいもですよ」

「そうなんか! ちょい、朝比奈さん聞いたか? 俺達が収穫した、じゃがいもやて!」

「嫌でも聞こえてる」

「俺らの作ったじゃがいもやて!!」

「だから、聞こえてる」


今日も、みんな元気だ。

朝から元気モリモリの鍛冶君と、相変わらず淡々としている朝比奈さん。

いつもと変わらない2人の様子に、ふふっと笑みが零れた。


あの告白から一夜明けた。

初めはどう接したらいいか悩んでいたけど、いつも通り――…いや、いつも以上に元気な鍛冶君の様子を見て安心した。

まぁ、きっと私が気まづくならないように無理に明るくしてくれているんだろうけど。

だけど、その優しさが嬉しかったし、ありがたかった。
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