守りたい人【完】(番外編完)
またもや悩みの種が一つ増えた。

おまけに、相談できる相手がみんな関係者ときた。

これは、非常に苦しい展開だ……。


どうしたものかと考えあぐねるが、一向に応えは出てこない。

みんながハッピーエンドになるなんて無理な話しなのかもしれないけど、そう願わずにはいられない。


「上手くいかないなぁ……」


再び人生の壁にぶち当たった気分だ。

たまちゃんから言わせれば、贅沢な悩みって言われそうだけど。

だけど、昨日の事を話せば、きっとたまちゃんは悲しむ。

けど、いつまでも隠し通せるものじゃないだろうし、言わない方がたまちゃんを傷つける気がした。


「――…よし、言おう」


小さくガッツポーズを胸の前で構えて、意志を固める。

鍛冶君に告白された事、そして朝比奈さんが好きな事も全部話そう。

そう決めて重たい腰を上げれば、いつもと変わらない光景が目に入る。

楽しそうに話す鍛冶君と、素っ気無い返事をしながらも、ちゃんと話を聞く朝比奈さん。


ずっと、このままの関係でいられればいいのに。


なんて思う私は傲慢で我儘なのかもしれないけど、そう思わずにはいられなかった――。
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