守りたい人【完】(番外編完)
「どうやったら解決するんだろ」
ん~っと考え込みながら、机に突っ伏す。
昼下がりのこの時間は家に誰もいないから、こうやって独り言を言うことが多い。
もちろん返事なんて返ってこないけど。
「本人に聞きたいけど、私も朝比奈さんと微妙な空気流れてるしなぁ」
そう。
あの言い合いの日から、徹底して朝比奈さんは私を避け続けている。
何かを話しかけても素っ気無い態度だし、目も合わせてくれない。
何度も誤解を解こうとしたけど、変わらず聞き入れてもらえない。
それがもどかしくて、悲しくて、辛い。
「朝比奈さん、意地っ張りだからなぁ」
膨れっ面でそう言って、机に突っ伏したまま唇を尖らせる。
すると。
「俺が何」
突然聞こえた声にビクリと飛び上がる。
そして、勢いよく後ろを振り返ると仕事着を来たままの朝比奈さんが立っていた。