守りたい人【完】(番外編完)
口角を上げたまま、朝比奈さんを見つめてそう言った。
変わらずフリーズしたままの朝比奈さんは、瞬きも忘れて固まっている。
あまりにも沈黙が長いので、いたたまれなくなって声を上げた。
「聞いてます?」
ふふっと笑ってそう言えば、魔法がとけたみたいに朝比奈さんは瞬きを繰り返した。
そして、まるで逃げるように視線を中庭の方に向けた。
「聞いてる」
「ふふ、良かったです」
ぶっきら棒にそう言った横顔を見て、私も再び中庭に視線を向ける。
そして、トクトクと鳴る心臓を落ち着かせるように、残っていたビールを一気に煽った。
リーン、リーン、と虫の音が聞こえる。
それでも、さっきまで私達の間に流れていた穏やかな空気はそこには無かった。
なんとも言えない、際どい空気。
気持ちを伝えた事にもちろん後悔はない。
まぁ、少なからずお酒の力を借りた所はあるけど、それでもようやく伝える事ができた。
チラリと隣を盗み見るように視線を向けたけど、朝比奈さんはいつもと同じように何を考えているのかサッパリ分からない。
あまりにも無反応だから、迷惑だったかな? と不安の種が大きくなってきた。
変わらずフリーズしたままの朝比奈さんは、瞬きも忘れて固まっている。
あまりにも沈黙が長いので、いたたまれなくなって声を上げた。
「聞いてます?」
ふふっと笑ってそう言えば、魔法がとけたみたいに朝比奈さんは瞬きを繰り返した。
そして、まるで逃げるように視線を中庭の方に向けた。
「聞いてる」
「ふふ、良かったです」
ぶっきら棒にそう言った横顔を見て、私も再び中庭に視線を向ける。
そして、トクトクと鳴る心臓を落ち着かせるように、残っていたビールを一気に煽った。
リーン、リーン、と虫の音が聞こえる。
それでも、さっきまで私達の間に流れていた穏やかな空気はそこには無かった。
なんとも言えない、際どい空気。
気持ちを伝えた事にもちろん後悔はない。
まぁ、少なからずお酒の力を借りた所はあるけど、それでもようやく伝える事ができた。
チラリと隣を盗み見るように視線を向けたけど、朝比奈さんはいつもと同じように何を考えているのかサッパリ分からない。
あまりにも無反応だから、迷惑だったかな? と不安の種が大きくなってきた。