守りたい人【完】(番外編完)


突然大きく名前を呼ばれた瞬間、ハッと目を覚ます。

そして、そのまま勢いよく飛び上がった。


「志穂っ! 起きろっ」


再び誰かに名前を呼ばれて、そちらに目を向ける。

すると、さっき死んだはずの朝比奈さんが、そこにいた。


「あ、朝比奈さん……」

「何してる、出るぞっ」

「生きてる……」

「は?」

「生きてたっ」


今だに頭の中が夢の中の私は、必死に目の前の朝比奈さんにしがみついた。


生きてた……生きてた!!

生きてた!!


「夢で良かったっ」


安堵の溜息を吐きながら、必死に抱きしめた人の温もりを確認する。

すると。
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