守りたい人【完】(番外編完)
どうしていいか分からない私達からすれば、まるで暗闇の中の灯台。

迷いのないその声と姿に、みんな朝比奈さんの元に集まっていた。


そんな事を聞いた私を見て、朝比奈さんは僅かに口端を上げて笑った。

その姿を見て、首を傾げる。

すると。


「元だけど、俺は自衛官だったからな」

「あ……そっか」

「こういう場面で仕事する事が多かったから、まぁ慣れと経験だ」

「なるほど」

「こういった場面を想定した訓練もしてきたから、落ち着いて行動できる。災害派遣で来た自衛官がテンパっていたら話にならないだろ」


そう言われて納得する。

確かに、こういった自然災害の時には必ずと言っていい程自衛隊が派遣されている。

テキパキと働くその姿は、きっと日本中の人が知っているだろう。


それに、災害派遣に出た事もあるって以前話していたのを思い出した。

その事で、さっきまでの行動にも納得がいった。
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