守りたい人【完】(番外編完)
その言葉に、一気に目頭が熱くなる。

不安に震えていた体が、温かくなる。


思わず泣きだしそうになって、慌てて下を向いた。

長い髪が私の顔を隠して、その黒の中に埋もれる。


「大丈夫ですよね……?」

「大丈夫だ」

「きっと、元通りになりますよね」

「あぁ、きっとなる」

「――…朝比奈さん」

「ん」

「もう一回、大丈夫って言って下さい」


今にも震えそうな声でそう言った私の声を聞いて、朝比奈さんがこっちを向く気配がした。

そして。


「大丈夫だ」


真っ直ぐな声でそう言った。
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